今回は『汚れなき子』の6話の感想や考察をまとめていきます。
汚れなき子が完結しました!
良い意味で余白のある終わり方で、個人的には良い終わり方だったと思います。
まずはいつもどおりこれまでの振り返りをした上で、6話のあらすじや見どころを解説していきます。後半では感想や考察をしていきますが、余白部分については別でまとめ記事を作ろうと思います。
汚れなき子を全話を見たあらすじと感想・考察・見どころはこちら
汚れなき子6話のあらすじ・登場人物・見どころ
まずはこれまでの振り返りをしつつ、6話の登場人物を整理し、あらすじと見どころをご紹介していきます。
- 前回までの振り返り
- 6話の主な登場人物
- 6話のあらすじ
- 解決したのに解決しない不気味さ
前回までの振り返り
13年前に発生したレナの失踪事件は、ヤスミンが緊急搬送されたことで急展開を迎える。ヤスミンに連れ添ったハンナの口から、自宅(監禁場所)にヨナタンがいることが明かされると、監禁場所を突き止めヨナタンの救出に成功する。
それと並行する形で、ヤスミンの口から本名や監禁時の状況が少しずつ明かされていく。監禁場所から犯人と思しき男性の遺体が見つかり一件落着に思われたが、ハンナとヨナタンの父親が違うことが判明し、犯人が複数いる可能性が浮上する。
自宅に戻ったヤスミンは、幻聴によって日に日に体調を悪くしていったが、監禁所での暮らしを幸せだったと錯覚し、犯人や子供たちと暮らすために生気を取り戻していく。DNA鑑定によってハンナの父親が判明し、ヨナタンの父親も警備会社の人間に白羽の矢が立つ。
犯人の行動も大胆になり、ハンナが心を開いていたルートは殺害され、ハンナとヨナタンの元へは監禁主からのプレゼントが届けられる。ヤスミンの自宅には多数の監視カメラを設置し、再び家族で暮らす準備を進める。
6話の主な登場人物
グラス家
・ヤスミン グラス
監禁場所から逃げ出した女性。車にはねられ緊急搬送される。13年前に失踪したレナとの関係は不明。耳にこびりつく監禁者の声と恐怖のせいでパニックを起こすも、カメラを見つけたことをきっかけに正気に戻っていく
レナの子ども
・ハンナ ゴリアテ?
レナの子ども、綴りはHANNAHで回文になっている。上手くやれる、やれているという意味深な独り言を言っている。12歳にしては体が小さい。ゴリアテはハンナが思い付きでつけた苗字の可能性が高い。レナ・ベックの父をおじいちゃんと呼ぶ。
・ヨナタン ゴリアテ?
監禁場所に一人残っていたハンナの弟。ハンナとは違い、心を閉ざす時間が長い。
レナの両親
・マティアス ベック
13年ぶりに娘が見つかったと思い、冷静な判断ができていない。ハンナが小さい時のレナに似ており動揺する。ハンナを引き取り育てようと考える。
・カリン ベック
夫のマティアスほど気は動転していないが、常に不安げな表情を浮かべている。ハンナが小さい時のレナに似ており動揺する。
病院のスタッフ
・ハムシュテット ベネディクト
精神科の緊急医。ハンナの精神状態を確認するために呼ばれた。ハンナとヨナタンを預かる養護施設の運営にも携わる。
警察
・アイダ クルト
アーヘン署の刑事。突入の指示を出したことで同僚を犠牲にしたことに責任を感じる。
・ゲルト ビューリング
州刑事局の捜査官。13年前の失踪事件を調査していた。マティアスとは友人関係にあった。
・イネス ライジヒ
現場に到着した警察官。アイダがいない間、現場の指揮を執ることが多い。
関係者
・ラルス ログナー
警備会社の社長。自身が管理する軍事施設に突入を指示したアイダへの訴えを取り下げている。
6話のあらすじ
ヤスミンが髪をブロンドに戻したことに異変を感じたゲルトは、ヤスミンが何かしら行動を取ることを予見し、見張りを始める。
予定通りハンナを自宅に連れてきたマティアスだったが、何も相談されなかったカリンと険悪な空気になる。ハンナも大人しくすることはなく、不審な行動を起こしだす。
復元した写真の人物が事件に関係なかったことを知ったゲルトは、その事実をゲルトに伝えた時、ヤスミンの居場所がマスコミに漏れ、事態は一気に動き出す。
謎に包まれたハンナの想いや狙いが見どころ
6話のメインはもちろん事件の解決で、リズムよく謎が解明されていき、緊張感のある展開も楽しむことができます!
ただ、それ以上に個人的におすすめの見どころは、ハンナの行動や表情の変化です。
実は、6話を最後まで見てもハンナの全て明かされるわけではなく、視聴者の想像に任せるような余白が残されています。これは不完全燃焼と言うより、いろんな解釈ができる良い終わり方だったと思います。
それゆえに、ハンナの行動を単純な目的意識に沿ったものと決めつけてしまうのはもったいなく、すべての事実を知った上で、こういう狙いがあったのではないか?と視聴後に空想できることも魅力の一つになっています。
ぜひ、ハンナの表情と行動にも注目してみてください!!
汚れなき子6話の感想と考察
それでは、6話の感想や考察をしていきます。個人的に納得した部分や納得しなかったことをまとめた上で、余白部分の考察もしていきます。
- 終わり方はよかった
- ヤスミンは自分を取り戻せたと思う
- ベック夫妻も前を向けて良かった
- ミステリーというよりヒューマンドラマ
終わり方はよかった
これまで何度か触れていますが、最後の余白の残し方が素晴らしく、最後まで見た時に、これまでのハンナがどういう思いで行動していたのか?その後の主要キャラクターの人生はどうなったのか?という想像が自然と広がっていきました。
5話時点では不完全燃焼で終わりそうな予感があり不安がありましたが、なんとかきれいにまとまって良かったです。
正直、大満足という感じにはなりませんでしたが、それなりに楽しめました。
ヤスミンは自分を取り戻せたと思う
カメラに気づいた後、おかしくなったのではなく、復習するために自分を取り戻したヤスミン。
怖くて仕方なかったと思いますが、一瞬の暗闇を作ってナプキンに凶器を隠し、ダミーの果物ナイフをカメラに映るように仕込む冷静さもありました。ナプキンから凶器を取り出すシーンを見た時は、ヤスミンの凄さに興奮しました!
犯人のログナーも、ヤスミンが自殺を偽装した瞬間に、あの時の暗闇を思い出し、果物ナイフがダミーだった可能性に気づいたのだと思います。その後に冷静さを欠く行動を取ってしまいましたが、あそこまで予想していたのであれば恐怖すら感じてしまいます。
また、ハンナの希望通り海で遊ぶ2人も良かったです。レナが大好きなハンナでしたが、ヤスミンのことも大好きで、子どもらしい一面が見られましたし、5か月ではあるものの親子として過ごしたハンナを心から受け入れていたヤスミンも立派でした。
監禁生活の恐怖を完全に克服することは難しいと思いますが、これからは今まで以上に強い自分になって、人生を楽しむことができると思います。
ベック夫妻も前を向けて良かった
レナにそっくりなハンナを見つけて、急いた行動をとってしまったマティアスでしたが、遺体が見つかり、現実をきちんと受け入れられてよかったです。
カリンもただレナを想うだけでなく、マティアスを支え、ハンナとヨナタンと向き合う覚悟ができてきたのだろうと思えるような、力強い表情をしていました。
この先どうなっていくのか分かりませんが、夫婦で支え合って前を向いてほしいです。
ミステリーというよりヒューマンドラマ
これは少し不満ですが、嫌な予想通りになってしまい、主要人物以外の犯人が急に出てきました。見終わった感想としては、ミステリーというよりヒューマンドラマに近い印象をうけました。
物語の作り方が、主要人物以外に犯人がいるという前提で進んでいくのであればいいのですが、あれだけ意味深なシーンを入れ込んでおいて、結果として誰も悪い人はいませんでした、という終わり方は卑怯な気がします。
そしてもっとも納得できないのが、肝心のトリックについての言及をことごとく避けていることです。6話以外の内容も含まれるので細かくは書きませんが、ミステリーなのであれば、なぜこんなに事件解決に時間がかかったのかを示す必要があったと思います。
もちろん、現実問題として監視カメラのない場所で人をさらっているので、監禁し続けていれば犯行がバレる可能性は低いと思います。ただ、ミステリーを謳っている以上、その逃げ方はないんじゃないかと思います。
汚れなき子6話のあらすじと感想・考察・見どころまとめ
- 前回までの振り返り
- レナの失踪事件は、ヤスミンが緊急搬送されたことで急展開を迎える
- ハンナの証言からヨナタンが救出され、犯人と思われる男性の遺体が発見される
- ハンナとヨナタンの父親が違う可能性が浮上
- ヤスミンは監禁生活を幸せだったと錯覚
- 犯人の大胆な行動により、ルートが殺害され、ハンナとヨナタンにプレゼントが届く
- ヤスミンの自宅に監視カメラが設置され、家族で暮らす準備が進められる
- 6話のあらすじ
- ヤスミンが髪をブロンドに戻したことにゲルトが異変を感じ、見張りを始める
- マティアスがハンナを自宅に連れてくるが、カリンとの間に険悪な空気が流れる
- ハンナが不審な行動を起こし始める
- 復元された写真の人物が事件に関係ないと判明
- ヤスミンの居場所がマスコミに漏洩し急展開を迎える
- 見どころ
- 事件の解決やテンポが良い
- ハンナの行動や表情の変化
- 6話の感想と考察
- 視聴者の想像に任せる余白のある良い終わり方
- ハンナがどういう思いで行動していたのか、その後の主要キャラクターの人生はどうなったのかという想像が広がる
- ヤスミンは自分を取り戻せたと思う
- 復讐のために冷静さを取り戻し、犯人を出し抜く
- ベック夫妻も前を向けて良かった
- ミステリーというよりヒューマンドラマだった
- トリックについての言及がなかったのが残念