NETFLIXで配信されている『汚れなき子』を全話見ましたので、あらすじや感想などをご紹介していきます!
前半では、汚れなき子のあらすじや登場人物、見どころなどをまとめていきますので、これから見ようという方にはぜひ参考にしていただきたいです。
後半では、感想や作品内で明かされなかった謎について考察していきますので、見終わった方には楽しんでいただけるかなと思います!この作品はミステリーになっているので、ネタバレNGの方には、後半まで見るのはお勧めしません。
この記事のポイント
・汚れなき子のあらすじや見どころが分かる
・登場人物や相関図が整理されている
・全話を見た感想がまとまっている
・犯行動機やハンナについて考察されている
汚れなき子のあらすじ・見どころ・相関図
まずは、汚れなき子のあらすじや見どころなどを整理していきます。ネタバレしない範囲で相関図もまとめていくので、参考にしてみてください。
- 汚れなき子のあらすじ
- ハンナが巻き起こす謎が見どころ
- 登場人物と相関図を徹底解説
汚れなき子のあらすじ
何かから逃げるように森の中を必死に走る女性が、偶然通りがかった車に助けを求める。車の運転手は女性の存在に気づかず、飛び出してきた彼女を轢いてしまう。救急車を呼び応急処置をしたものの、ドライバーは救急車が到着する前に現場を離れることに。
女性と一緒にいた娘のハンナが、事故の状況や彼女の名前、血液型を緊急隊員に伝えたところ、後に血液型が間違いであったことが判明する。
彼女の身体的特徴とレナという名前から、13年前に失踪していたレナと同一人物である可能性に気づいた州刑事局の捜査官が彼女の両親に連絡すると、確認も取らず病院に向かってしまう。
結果的に事故で運ばれてきた女性は失踪したレナではなく、別人だったことが判明する。落胆する両親の前に、13年前に失踪したレナの子供のころとそっくりな少女であるハンナが現れ、2つの事件の関係性やレナ失踪事件の進展が期待される。
一方で、精神科医や看護師がハンナのメンタルケアをしていると、その異様な生活状況が明らかになり、どこかで監禁されていた可能性や、もう一人の子どもがまだ監禁されている可能性が浮上する。
13年前の失踪事件と今回の事件の捜査が動き出す。。。
ハンナが巻き起こす謎が見どころ
『汚れなき子』最大の見どころは、ハンナという12歳の少女の発言や行動がきっかけで巻き起こる、謎が謎を呼ぶ展開の連続です!
13年前の失踪事件と今回のひき逃げ/監禁事件が複雑に絡む中、この少女の異様さがより事件を複雑にしていきます。
AB型のRhマイナスと誤った血液型を隊員に伝える、人と会うときは両手の掌と甲を見せる、家族の絵を描くと窓を黒く塗りつぶす、意味深な独り言を定期的に繰り返すなど、無視することはできないほど違和感のある言動が見られます。
事件が進展するにつれ、ハンナの素性や考えが分かった気になっていきますが、頭の中で作り上げた人物像が何度も塗り替わっていきます。
事件そのものも面白さはありますが、ハンナを中心とした主要人物の心境や行動にこそこの作品の魅力が詰まっており、ミステリーでありつつもヒューマンドラマを見ているような気分にさせてくれます。
登場人物と相関図を徹底解説
・レナ
監禁場所から逃げ出した女性。車にはねられ緊急搬送される。13年前に行方不明になった同姓同名の人物だと期待されるも、人違いとされる。
・ハンナ
レナの子ども。レナを追いかけついてくるも、不思議な雰囲気と違和感のある言動を繰り替えず。
・ヨナタン
監禁場所に一人残っている少年。ハンナの弟。
13年前に失踪したレナの両親
・マティアス ベック
娘の失踪から13年。ようやく前を向けるようになってきた矢先、レナが見つかったかもしれないと連絡を受ける。突然のことに冷静さを失う場面も多い。
・カリン ベック
夫のマティアスほど混乱した様子は見せないが、常に不安げな表情を浮かべている。
病院のスタッフ
・ルート キュッパース
大学病院の看護師。レナの治療を待つ間、ハンナの様子をみており、ハンナが心を許している人物。
・ハムシュテット ベネディクト
精神科の緊急医。ハンナの精神状態を確認するために呼ばれる。
警察
・アイダ クルト
アーヘン署の刑事。ひき逃げ事件や監禁事件の調査にあたる。
・ゲルト ビューリング
13年前の失踪事件を担当していた州刑事局の捜査官。ベック夫妻とは、以前から知り合いだった。
・イネス ライジヒ
現場に到着した警察官。アイダがいない間、現場の指揮を執ることも。
相関図

汚れなき子の素朴な疑問
感想や考察について整理していく前に、汚れなき子でよくある疑問について解説していきます!
- 実話なの?
- 映画化はされている?
- ドラマはどこで見れてエピソード数は?
実話なの?
汚れなき子は実話ではなくフィクションです!
ドイツの小説家であるロミー・ハウスマンが書いたベストセラー小説である「汚れなき子(原題:Liebes Kind)」を原作としたドラマです。
映画化はされている?
残念ながら、今のところ映画化はされていません。
この作品を2時間にまとめるのは結構大変だと思います。。。
ドラマはどこで見れてエピソード数は?
汚れなき子はNETFLIXのオリジナルドラマですので、ネットフリックスでしか見ることはできません。
エピソードは全6話になっており、1話あたり45分くらいの長さです。
汚れなき子を見た感想と考察
ここからは、汚れなき子を見た感想をまとめていきますので、ネタバレにご注意ください!
また、作品内で明かされなかった気になるポイントも考察していきます。
- 感想・評価としてはまぁまぁ面白かった
- 不満な点を3つにまとめてみる
- 犯行動機は歪んだ愛?
- ヨナタンの父親について考えてみる
- ハンナが望んだことは何だったのか
感想・評価としてはまぁまぁ面白かった
汚れなき子は、ミステリーとしては微妙で、ヒューマンドラマとしてはまぁまぁという感想でした。
まず良い点としては、役者さんの演技は素晴らしかったことです。
13年前の失踪事件から始まった悲劇やそれによってこじれた人間関係、今起こっている事件を捜査している人との間にあるギャップが上手く表現されており、イライラや同情まで共感することができました。(吹替声優さんも良かったです!)
特にハンナ役のナイラ・シューバースと、ヤスミン役のキム・リードルは最高で、いい意味で不気味な空気が漂い続けていましたし、ヤスミンの変化は見ていてゾッとするものがありました。
悪い点については、3つに分けてまとめていこうと思います。
不満な点を3つにまとめてみる
不満点をカテゴライズすると、次の3つに分けられます。
- ミステリーなのにトリックが雑
- 重要なのに回収されない伏線が多い(なんで地雷を踏まなかったのか
- 意味深なのに意味がないシーンが多い
①.ミステリーなのにトリックが雑
何よりもトリック部分が雑で、ほとんど詳細が語られることがなかった点が一番の不満ポイントです。
犯人は警備会社の社長ですので、監視カメラなどの機材を設定はお手の物だと思いますが、細かなギミックが明かされないため、一気に陳腐でフィクション感が強くなってしまいます。
特にひどいと感じたのが次の3つです。
- ヤスミンが退院した部屋に監視カメラを設置できた
- 児童養護施設の監視カメラをハッキングできた
- 買い物リストの中身をすり替えることができた
この中でも最悪なのが、買い物リストの中身をすり替えられたことです。。。
残りの2つは、たまたま自身が経営する管理会社の顧客だったことにすれば辻褄を合わせることはできますが、買い物リストは流石に無理だと思います。
この状況で、隣人にウルリッヒ(ヤスミンの父)を会わせないことは考えられませんし、ウルリッヒ以外から隣人にコミュニケーションを取らせることは至難の業のはずです。この辺の雑さはすごく気になりました。
②.重要なのに回収されない伏線が多い
トリック部分と直接関係ないものではありますが、重要な伏線や話もスルーさせてしまっています。
- ヤスミンはなぜ地雷を踏まずに済んだのか
- ルートは何に気づいたのか
- 自殺偽装はそんなに簡単なのか
- 犯行動機は結局何だったのか
- ヨナタンの父親は誰だったのか
など、今思いつく限りでもこれだけあります。他にもうやむやになってしまった伏線は多くあると思います。
全体的に深ぼると不都合な部分はサラっと流されている印象があり、それはミステリーとしてどうなんだと思ってしまいます。
③.意味深なのに意味がないシーンが多い
ミステリーでよくある演出ではありますが、ミスリードのために犯人ではない人に犯人のような言動や表情をさせることがあまりにも多いです。
上手いミステリーは、その表情をしてもおかしくない状況で、カメラ位置やアップの度合い、光などでその演出をしますが、汚れなき子では不必要な演出が目立ちました。
マティスの情緒不安定さは極端ですし、ゲルトやカルトは儚げな表情が多すぎますし、その2人の不倫もなんのための設定なのか分かりませんでした。
といろいろ書きましたが、不満点はこのくらいにして最後は視聴者の想像に任された余白部分の考察をしていきます。
犯行動機は歪んだ愛?
犯行動機が語られることはありませんでしたが、ポイントになりそうな点をまとめると次のようになります。
- ラルス・ログナーとそっくりな人物はラルスの祖父
- ラルスの母親とレナが似ている
- ラルスの母親はある日突然いなくなる
- ラルスの父親は不明
ラルスの父親が祖父同様ラルスにそっくりだった場合、母親から子どもとして扱ってもらえず、虐待のようなものを受けていたことが考えられます。そうなると、母に求めていた愛情が歪む、当時の母への復讐、などの理由で今回の事件を起こしたことが考えられます。
次に祖父が父親だった場合、父子で子作りしたことになり、家族は当然バラバラになります。そうすると、母親の愛情を一切受けられなかったことになり、母への幻想からそっくりな人が好みとなり、今回の事件を起こしたことになります。
ラルスの行動を振り返ってみると、まずは家族や規則にとにかく厳しい生活をしていました。監禁生活だからこそというのもあると思いますが、自身が理想とする家族を作っていたと考えても違和感ありません。
次に子どもを産むことに執着しており、ヤスミンに子どもができることを心待ちにしていたような描写もありました。
この2つのことを考慮すると、祖父が父になったいびつさや、それにより家族が壊れ母親がいなくなった言い表せない苦しみが、理想の家族作りに執着し、母親そっくりな人を好きになってしまう、今回の事件の犯行動機としてしっくりきます。
ヨナタンの父親について考えてみる
ヨナタンの父親はラルスで間違いないと思います。
レナとラルスの第一子であり、第二子も身ごもったと考えて問題ないと思います。
第二子の出産直後、産褥熱(さんじょくねつ)という出産後に発症する高熱に苦しみ、母子ともに亡くなってしまい、母親(レナ)の代わりを探し始めました。
ハンナが望んだことは何だったのか
ハンナの主な行動を振り返ると、次のようになります。
- ラルスの言うことはしっかり聞いていた
- ラルスの言葉から意図を汲み取り行動していた
- ヤスミンの病院に連れ添った
- ヤスミンをひいた男性の頭部を殴った
- ラルスにスノードームのガラス片を渡した
- ヤスミンにスノードームのガラス片を渡した
- ヤスミンを殺さないようラルスに依頼した
- ラルスが見ていることをヤスミンに伝えた
- 母親としてヤスミンのことをレナの次に気に入っていた
また明確に描写はされていませんが、ラルスとコミュニケーションをとる手段を持っていたはずです。
ここからハンナの望みや狙いについて考えていきます。正直、6話のラスト20分くらいのシーンをみるまでは、4人で暮らすこと夢見て、純粋な気持ちでラルスに協力していたと思っていました。
ただ、事件の経緯が説明され始めると、もしかして一番怖いのはハンナかもしれないと感じるようになり、今では将来サイコパスになる未来しか見えません。。。
- ヤスミンをひいた男性の頭部を殴った
- ラルスにスノードームのガラス片を渡した
- ヤスミンにスノードームのガラス片を渡した
- マティアスに気に入られるような行動を取る
- ルートの存在を確かめるように一緒に暮らしたいと言った
- ヤスミンがラルスを殺した後に平然と海で遊ぶ
これらを踏まえると、自分の欲望のまま願望のままに行動しているように思えてきます。それだけであれば、子どもらしい一面として流せますが、自分の理想を叶えるために殺人未遂や殺人教唆も平然と行っています。
特にガラス片を渡しているのは、かなり直接的に殺人をそそのかしていますし、ルートをラルスが殺したのだと察すると、海に行きたいと言いヤスミンがラルスを殺害する環境づくりに一役買う形になっています。
だからこそ、ラルスが殺された後、ヤスミンと海で遊ぶことができたのだと思います。4人家族で暮らしたいという想いで動いていたのであれば、あの状況で遊べるとは思えませんし、サングラスを外して前を向く描写も不自然です。
どれも偶然と捉えることもできますが、これだけ続くと意図的にやっているとしか説明できないでしょう。
汚れなき子のあらすじと感想・考察・見どころまとめ
- あらすじ
- ある女性が森の中で助けを求め、車に轢かれる
- 女性と一緒にいた娘のハンナは、緊急隊員に事故の状況を伝える
- 女性が13年前に失踪したレナと同一人物であることが期待されるも別人だと判明
- ハンナの異様な生活状況から監禁が疑われることに
- さらに、まだ子どもが一人監禁場所に残されている可能性も浮上する
- 13年前の失踪事件と今回の事件の捜査が始まる
- 見どころ
- ハンナが巻き起こす謎に引き込まれる
- ハンナの素性や考えが分かった気になるが、何度も人物像を塗り替えらことに
- 13年前の失踪事件と今回の事件が複雑に絡み合う
- ミステリーでありつつもヒューマンドラマのような雰囲気
- 登場人物
- レナ:監禁場所から逃げ出した女性
- ハンナ:レナの子ども。不思議な雰囲気と違和感のある言動
- ヨナタン:監禁場所に一人残っている少年で、ハンナの弟
- マティアス・ベック:13年前に失踪したレナの父親
- カリン・ベック:13年前に失踪したレナの母親
- ルート・キュッパース:大学病院の看護師で、ハンナが心を許している人物
- ハムシュテット・ベネディクト:精神科の緊急医
- アイダ・クルト:アーヘン署の刑事
- ゲルト・ビューリング:13年前の失踪事件を担当していた捜査官
- イネス・ライジヒ:現場に到着した警察官
- 感想と考察
- ミステリーとしては微妙で、ヒューマンドラマとしてはまあまあ面白い
- 役者の演技は素晴らしい
- トリック部分が雑で、詳細が語られない点が不満
- 回収されない伏線も気になる
- 意味深なのに意味がないシーンが多い
- 犯行動機はラルスが育った環境で構築された歪んだ愛
- ヨナタンの父親はラルス
- ハンナは自分の欲望のままに行動している怖い人物に見えた