今回は『キングダム』74巻の感想や考察を、あらすじや見どころを整理しながらご紹介していきます。
74巻では、中華統一を目指す秦(しん)が韓(かん)を滅ぼす戦を始めます。桓騎(かんき)・王翦(おうせん)という2人の大将軍が李牧(りぼく)に連敗してしまい、あとが無くなった秦がどのように中華統一を目指していくのか、その始まりが描かれています。
前半では、73巻までの内容を簡単に振り返り、74巻のあらすじや見どころをご紹介していくので、ネタバレNGの方にも安心して読んでいただけます。
ただ後半の方では、全体はもちろん、各話を振り返りながら74巻の感想や考察をまとめており、ある程度ネタバレが含まれてきますので、ご注意ください。
- 74巻のあらすじやみどころをネタバレなしで知れる
- 74巻の登場人物について整理されている
- 全体だけでなく各話の感想や考察を読める
- 発売日やページ数など1巻の掲載情報が分かる

キングダム74巻のあらすじ・登場人物・見どころ
前巻までの内容を振り返り、あらすじや登場人物を整理したうえで、74巻の見どころをご紹介していきます。74巻では、秦六将として武/知/政すべての才をいかんなく発揮する騰(とう)の活躍が光ります。
- これまでの振り返り
- 74巻のあらすじ
- 主な登場人物
- 武だけではない騰の魅力が光る
これまでの振り返り
李牧の策に乗る形で始まった番吾(ばんご)の戦い。李牧の想定の上をいくよう奮戦する亜光(あこう)と李信(りしん)であったが、上回ることができず逃がしてしまう。
王翦(おうせん)軍と青歌(せいか)軍の全面対決という形になった中央においても、想像のはるか上を行く武を持つ青歌軍の猛攻をしのぐことができず、敗走を余儀なくされてしまう。深手を負っていた亜光(あこう)・田里弥(でんりみ)は殿(しんがり)を務め、王翦を逃がすために戦死する。
王翦を逃がした後、糸凌(しりょう)を一人で死なせたことを後悔する倉央(そうおう)は、亡骸を抱きしめ糸凌と同じ場所に逝くため、再び戦地に戻り投降する。ジ・アガならどうするかを考え続けていたカン・サロは、その男気に応え、生かしていた糸凌を倉央に会わせ、二人を解放する。
この連敗を受け中華統一を諦めざるを得ない雰囲気が流れていた秦であったが、嬴政(えいせい)は昌平君(しょうへいくん)に対し、再び中華統一の道を進む戦略を立てるよう命じる。昌平君は6日間かけて再び中華統一を目指すために必要な三本の柱を完成させる。
74巻のあらすじ
三本の柱を完成させた昌平君。嬴政はその策を信じ、中華統一に向けた道を再び歩み始める。
一つ目の柱である戸籍作りを早急に進める中、二つ目の柱である李信/蒙恬(もうてん)/王賁(おうほん)の3人を王宮に集め、大将軍手前にあたる5万の軍勢を3人に任せ、三つ目の柱である韓攻略を進めることを告げる。
蒙恬率いる楽華(がくか)、王賁率いる玉鳳(ぎょくほう)、が趙(ちょう)や魏(ぎ)の介入を防ぎ、騰と李信の2軍で韓攻略を成し遂げなければならない。
騰と信は、一つ目の要所である南陽城を目指す。
- 三本の柱
- 戸籍制度導入により兵力を補填する
- 信/王賁/蒙恬の各軍を5万に増強する
- 韓を攻略する
74巻の主な登場人物
秦
・騰(とう)
六代将軍第二将であり、韓攻略戦の最高責任者。
・李信(りしん)
主人公であり、韓攻略戦に参加する将軍。羌瘣の軍を合わせると6万の軍勢を束ねる。
・羌瘣(きょうかい)
もともと信とともに戦っており、武功を重ねたことでついに1万の軍を束ねる将軍になった。
・剛京(ごうけい)
南陽長官であり、南陽城を収めるため秦から派遣された秦の高位文官。
韓
・洛亜完(らくあかん)
韓の第一将。2年前、韓に訪問した騰や信を出迎えた将であり、武・知いずれにも長け、周囲からの信頼も厚い。
・張(ちょう)
韓の宰相。元韓軍総司令であり、有能な軍師。洛亜完とともに、韓の危機に対し冷静な判断を下す。
・龍安(りゅうあん)
南陽(なんよう)城の城主。聡明で民から慕われる名君。
武だけではない騰の魅力が光る
74巻は”南陽城をどのように落とすのか”が最大のポイントであり、失敗が許されない大一番を任されたのが、六代将軍第二将の騰です!
これまでも、奇策が用いられることや結果として圧勝するという戦はありましたが、基本的には死力を尽くして勝利する、というのがキングダムで描かれてきた戦いでした。ところが今回は少し異なります。
戸籍制度によって、秦国内に埋もれていた兵士たちの徴兵に成功したものの、それは同時にこれ以上の追加の兵が見込めないことを意味しており、本当の総力戦が始まったことを示していました。
つまり、”兵力を温存しながらいかに戦い抜くか”を大前提に考えなくてはならなくなったのです。
加えて、支配地の統治の仕方も変革させなければなりません。これまでは、領土防衛や領土拡大、重要拠点の争奪、という意味合いの戦いがほとんどであり、勝てば自分たちの思い通りに支配できるものばかりでした。
しかし、ここから先目指すのは中華統一であり、すべての土地に秦人を住まわせるのは現実的でなく、現地人との共生が求められるようになります。そのため、”中華統一に向けどのように支配していくのか”も同時並行で作っていかなくてはいけません。
つまり、戦い方・支配の仕方を変革させながら、韓攻略という難題をクリアしなければなりません。そんな難しい局面を任されたのが騰であり、その期待に応える働きを見せてくれます。
キングダム74巻の感想と考察
ここからは、74巻の感想や考察をまとめていきます。
73巻まで続いた戦闘シーンも魅力的でとても面白かったですが、今回のような文官たちの戦いや政局的な話も非常に面白く、キングダムの魅力が詰まっているなぁとしみじみ思います。
この先はネタバレも含まれてしまいますので、未読の方はお気を付けください。
- 騰が成し遂げたかったものとは
- 第802話:大将軍の軍勢
- 第803話:三本目の柱
- 第804話:異様な新兵群
- 第805話:電光石火
- 第806話:三つの選択
- 第807話:南陽城
- 第808話:旗
- 第809話:六将の責任
- 第810話:南陽の民
- 第811話:刃の意味
- 第812話:法の下
- おまけ:百将 昂
騰が成し遂げたかったものとは
74巻で最大の謎は、騰が南陽城をあそこまで特別視した理由ではないでしょうか?
さまざまな可能性を考慮して、僕なりの仮説をまとめたいと思います。
ベタな理由で考えると、2年前に訪れた韓の王都新鄭(しんてい)と南陽城の作りが似ていたことですが、規模も違う上、あそこまで友好的になる必要もない気がするので、これは可能性として低いと思います。
もう一つのベタな理由は、支配下に置いた地域で反乱がおこるリスクを下げることですが、それだと剛京の提案通り、これまでのやり方で統治すれば良い気がするので、あまり考えにくいと思います。
残すは士気の異様な高まりを防ぐため、という可能性です。「南陽城の悲劇を忘れるな」「凌辱(りょうじょく)・虐殺の限りを尽くされるぞ」という士気は、国の存続より優先される兵も多いはずです。こうした危機を避ける狙いも考えらえますが、やはりズレている気がします。
これらを踏まえると、新鄭攻略とは関係ないと予想します!
新鄭攻略は、あくまで2年前に入城した経験に基づいた攻城戦を仕掛けるものであり、その被害も10万人程度におさめてしまうのではないかと考えています。国家存亡をかけた攻城戦の被害規模としてはかなり少ないですが、意外と最後はあっけない終わり方になる気がしています。
そして、今回の南陽城統治の伏線回収は、韓平定後にやってきます。
韓の大王である王安王(おうあんおう)をはじめ、王妃を殺すこともせず、歯向かわない市民や武官もそのまま生かし、略奪や虐殺・凌辱も行わない、その代わり法治国家として秦の法律を順守させる、という南陽城と同じ形で統治を進めるはずです。
この統治方法に不信感を募らせる新鄭の住民に対し、南陽城の住民や龍安が緩衝材のような働きをし、うまく秦と韓が融合していくのではないでしょうか?
その流れができれば、住民による反乱を危惧することなく、投降した韓兵とともに、中華統一を目指す形に落ち着くと思います。これこそ、騰が思い描いた戦略だと予想します。
第802話:大将軍の軍勢
戸籍づくりにしん国中が慌ただしく動いている中、秦と同盟を結ぶために人質として派遣されていた燕の太子が勝手に帰ってしまうという、小さな事件が起こります。
明確に今後大きな事件につながると記載があったので、韓を攻略した後、もしくはもう一山終わった後くらいの伏線になっているはずなので、しっかり覚えておきましょう。
閼与(あつよ)で傷を癒す王翦の元に、無断で軍を抜けた倉央が糸凌を連れて戻りますが、何もお咎めはありませんでした。これはよかったような、そうでないような微妙な気分ですね。。。
倉央は敗れただけでなく牙ももがれたように見え、以前のような自信は感じられないため、糸凌と仲睦まじく暮らしてほしい気持ちもありました。それと同時に、再び自信満々の倉央の姿も見たいため、二人は良い形で終わって欲しいです。
また、李牧と次にやれば十中十で勝つ、李牧には弱点がある、そこをつけばいつでも討てる、そうしなかったのは真っ向勝負でも勝てる算段があった、あわよくば仲間にしたかった、という王翦に対し、倉央が苛立ちを隠せず亜光や田里弥が死んだことを嘆くシーンも良かったです。
王翦たちが戸籍作りの会話をしている時、信たちの5万の軍勢は大将軍の手前と明言され、信が野望に大きく近づいたことが明らかになりました。渕さんが五千人将になったのも感慨深く、このまま将軍になって欲しいです。
第803話:三本目の柱
2本目の柱である信/王賁/蒙恬の各軍の軍拡目途もたち、いよいよ3本目の柱である韓攻略が動き始めます。騰軍10万と信軍6万(内羌瘣軍1万)の合計16万の軍勢で韓を滅ぼすことになりますが、一筋縄ではいきません。
ただ滅ぼすことも難しい上に、楚や趙に挑むため韓の人や財を力に変える必要があり、たった2年という制限までついています。
そして、この戦争の難しさを表現する方法として、生前の王騎将軍が韓との戦は泥沼化すると語っていたことが明かされ、どうせ韓は落とせるんでしょ?という既定路線感が怪しくなってしまいました。。。
ちなみに、羌瘣が戦わずに勝つ秘策を思いついたシーンは、ギャグ要素が強くて面白かったです。
第804話:異様な新兵群
ついに戸籍が完成し、各地が存続できるだけの男は残し、適正人数の徴兵をかけることに成功した秦。徴兵先の城に向かう集団は少しずつ大きくなり、その規模が楚や趙の内通者を通して明かされます。
各国が慌てる中、楚の王と媧燐(かりん)の会話の中で、広大な土地の秦が戸籍を完成させ、新たに30万人の徴兵に成功したという偉業を、各国の上層部が認識したことが明示されます。
そんな中、秦の水軍が黄河を渡り魏に行軍し、韓攻略が始まります。
第805話:電光石火
魏に向かったのは王賁率いる玉鳳軍であり、先に上陸した部隊と連携しタイトル通り電光石火の勢いで要所の城を落としてしまいます。時を同じくして、蒙恬率いる楽華軍も趙と魏の国境付近に展開し、韓攻略の邪魔をされないよう準備します。
魏の呉鳳明(ごほうめい)や趙の李牧(りぼく)はこの事態を静観することに決め、南陽城が落とされ、韓がいよいよ危ないという状況になったら進軍すること決めます。
新鄭攻略時には、玉鳳と楽華の奮戦も描かれると思うので、今から楽しみです!
洛亜完将軍のセリフもフラグのようにつながっており最高でした。
南陽城を守る第二将の博王谷(はくおうこく)将軍であれば10万までは守り切る→10万人以上で攻めるんだろうな~と思ったら、案の定そうなりましたw
第806話:三つの選択
信と羌瘣が率いる6万の軍勢に、騰率いる本隊が後続し総勢16万になることが分かった時の、張宰相と洛亜完将軍の主張は、どちらもとても見ごたえがありました。
こうした難しい局面で、どちらの意見を採用するのか悩む王の苦悩が伝わってきましたし、お姫様がいい意味でノイズになっているのもリアルな感じがして、韓の危機をリアルに感じました。
ただ、洛亜完将軍の間をとった案は、張宰相の主張通り甘く感じたので、この甘さがきっかけで負けるフラグにも見えるので、降伏フラグになって、今後も生き続けてほしいです。
ちなみに、3つの選択肢はこんな感じです。
- 援軍を出し南陽城で韓存亡をかけた戦争をする
- 南陽城を見捨て博王将軍に可能な限り秦軍の力をそがせる
- 南陽城を放棄し王都である新鄭(しんてい)で迎え撃つ
第807話:南陽城
806話の最後、新たに10万の兵が後続していることが分かり、総勢26万の兵が進軍していることが分かると、張宰相と洛亜完将軍の意見が一致し、博王谷将軍を新鄭に退却させ、南陽城を見捨てることが決まります。
この時の王や文官たちの表情や言葉はとても印象的で、侵略される国の苦しさがとても伝わってきました。大荒れする南陽城でも、城主である龍安の優秀さが描かれ、統治後のやり取りに期待が高まります。
ここで羌瘣の秘策の種明かしがされ、最後の10万の兵は老人であり、偽装した軍勢だったことが分かります。16万なら戦う可能性があるが、26万なら城を放棄するという韓の動きを、羌瘣や騰は完全に読んでいたことが分かり、羌瘣の戦局を見る目が健在であることがわかります。
第808話:旗
無血開城に成功した騰たちが入城すると、龍安が全面降伏を宣言しますが、子どもが韓の旗を掲げてしまい緊張が走ります。怒鳴る配下を制した騰は、秦と韓の旗を並べて立てるよう指示します。
このシーンの録鳴未(ろくおみ)がいい味を出しており、喚くたびに騰の行動がいかに常識はずれなものか常に教えてくれます。
その後、騰は龍安とともに南陽城内を見て回り、探りを入れる龍安に対し「新鄭攻略のカギはこの南陽にあると思っています」と発言し、騰自身ハッキリとした答えを持っていないものの、重要拠点以外の意味が示唆されました。
先ほども書きましたが、僕は新鄭攻略後の伏線だと予想します。
第809話:六将の責任
秦から南陽城を統治するために派遣された剛京と騰の意見が真っ向から対立します。
占領時の当たり前の対応をしようとする剛京に対し、中華統一に伴い占領地での振る舞いも新しいルールに変えていくべきだと主張するのが騰でした。どちらの主張にも理があり、騰の意見が採用されると思いつつ、剛京の物の考え方や進め方は当時の時代背景や価値観に即したものに見え、とても考えさせられました。
第810話:南陽の民
南陽を理想郷とするため、理想の在り方をお互いに模索していくことになります。
810話で最も印象に残るシーンですが、割り当てられた屋敷や土地の広さを見た信が、奪い取るようなことはしたくないときれいごとを言っていると「お前も桓騎らと変わんねェくらいおっかねェんだ」と我呂が諭します。
やっぱりこういう時の我呂は頼りになりますし、信が理想を追いすぎて現実離れしてしまったと感じた時には、必ず強い言葉で提言し、間違った方向に行かないようにしてくれます。
また、代わりに食事会を開くことになりますが、武器を持たず毒見もしない飛信隊と、女や子どもも参加させる住民、どちらも信頼の建前を必死に作ります。
こういう時、住民側の恐怖だけでなく飛信隊側の恐怖もきちんと描いてくれるため、双方に感情移入できて助かります。兵士側も捨て身の攻撃を警戒する必要があることが分かると、食事会の早急さや危険さが理解できます。しかも、きちんと伏線になっています。
第811話:刃の意味
飛信隊の世話を任せられた住民の代表(じーさん)が信にナイフを向けると、信はそのナイフを掴み、騒ぐ周囲を黙らせ、こんなことをした理由を問いかけます。
ここのシーンはとても感動的でした。
20年前に娘と孫を秦兵に犯され、殺された恨みを忘れられないとじーさんと真摯に向き合い、時が止まったじーさんが前を向けるようになるまで待つ、と伝える秦には、大将軍を思わせるような威厳とやさしさが確かにあり、我呂が言っていた桓騎のような怖さはありませんでした。
第812話:法の下
儒教的な思想が強く、情によって量刑の重さを変化させる韓に対し、法治国家的な思想が強い秦は、法の下にすべて平等にさばきます。この違いに困惑する龍安たちに対し、剛京は嫌みを言いつつやり方は絶対に曲げません。
この嫌みは必要なかったんじゃないかと思いましたが、すぐに裏切られますw
この後、秦兵が人妻を犯し、それを止めようとした夫を殺したため、報復として長男が刺し返す事件が発生します。100%秦兵が悪い状況ですが、侵略されている状況下では、長男が殺されることが普通です。
ここに剛京が現れ秦兵を斬首に処すと”法の下に韓人か秦人は関係ない”と語り、龍安を含め韓人の剛京を見る目が変わります。
冒頭の嫌みで剛京がすごい嫌な奴に見えていたので、この時の龍安たちと同じ心境で剛京を見直すことができました。この感情の変化は、完全にやられました。
おまけ:百将 昂
今回の軍拡で百人将になった昂(こう)の短編物語です。
僕自身バカにしていましたが、顔に似合わない強さとスパルタ度合いは最高でした!
74巻の発売日と収録話数
最後に、キングダム74巻の基本情報を見ていきましょう。
- 発売日は2024年12月18日
- 802話~812話が収録
発売日は2024年12月18日
キングダム74巻の発売日は12月18日(水)でした。紙と電子同時発売で、僕はゼブラックで読んでいます。
表紙には昌平君が、扉絵には信が描かれています。信は水彩画のようなタッチで、いつもとちょっと違った雰囲気が感じられます。


802話~812話が収録
キングダム74巻には、第802話~第812話の全11話が収録されています。
第802話(p5~p24)
大将軍の軍勢
第803話(p25~p42)
三本目の柱
第804話(p43~p62)
異様な新兵群
第805話(p63~p82)
電光石火
第806話(p83~p103)
三つの選択
第807話(p104~p122)
南陽城
第808話(p123~p142)
旗
第809話(p143~p161)
六将の責任
第810話(p162~p182)
南陽の民
第811話(p183~p202)
刃の意味
第812話(p203~p221)
法の下
おまけ(p224~p225)
百将 昂
キングダム74巻のあらすじと感想・考察・見どころまとめ
- これまでの振り返り
- 李牧の策に乗る形で始まった番吾の戦いで、亜光と李信は奮戦するも李牧を逃がしてしまう
- 王翦軍と青歌軍の全面対決では、青歌軍の猛攻をしのぎきれず、王翦軍は敗走を余儀なくされる
- 深手を負った亜光と田里弥は殿を務め戦死し、王翦を逃がす
- 倉央は糸凌を一人で死なせたことを後悔し、再び戦地に戻り投降するが、カン・サロの男気により、糸凌と再会し解放される
- 連敗を受け、中華統一を諦めざるを得ない雰囲気が流れていた秦だったが、嬴政は昌平君に再び中華統一を目指す戦略を立てるよう命じる
- 昌平君は6日間かけて、中華統一に必要な三本の柱を完成させる
- キングダム74巻のあらすじ
- 昌平君が完成させた三本の柱に基づき、嬴政は中華統一への道を再び歩み始める
- 一本目の柱である戸籍作りを早急に進める
- 二本目の柱として、李信、蒙恬、王賁の3人を、それぞれ5万の軍勢を率いる将軍に任命する
- 三本目の柱として、蒙恬と王賁は趙や魏の介入を防ぎ、騰と李信で韓攻略を目指す
- 騰と信は、最初の要所である南陽城に進行する
- 主な登場人物
- 秦
- 騰:六大将軍第二将であり、韓攻略戦の最高責任者
- 李信:主人公であり、韓攻略戦に参加する将軍。羌瘣の軍と合わせて6万の軍勢を率いる
- 羌瘣:信と共に戦い、武功を重ね1万の軍を束ねる将軍になった
- 剛京:南陽長官であり、南陽城を収めるために秦から派遣された高位文官
- 韓
- 洛亜完:韓の第一将。武と知略に長け、周囲からの信頼も厚い
- 張:韓の宰相。元韓軍総司令であり、有能な軍師
- 龍安:南陽城の城主。聡明で民から慕われる名君
- 秦
- 武だけではない騰の魅力が光る
- 74巻は南陽城攻略が最大のポイントであり、騰がその大役を担う
- これまでのキングダムの戦いとは異なり、兵力を温存しながら戦い抜く必要が生じている
- これまでの領土防衛や拡大とは異なり、中華統一を見据え、現地人との共生を考慮した支配が必要になる
- 騰は戦い方と支配の仕方を変革させながら韓攻略という難題に挑む
- キングダム74巻の感想と考察
- 74巻では、文官たちの戦いや政局的な話も非常に面白く、キングダムの魅力が詰まっている
- 騰が南陽城を特別視した理由が最大の謎であり、新鄭攻略後の伏線ではないかと考察
- 新鄭攻略は、2年前の入城経験に基づいた攻城戦である、被害も10万人程度に抑えられると予想
- 新鄭の住民に対して、南陽城の住民や龍安が緩衝材のような役割を果たすはず
- 戸籍作成により、秦は30万人の徴兵に成功し、各国に衝撃を与えた
- 魏に布陣した玉鳳軍と趙・魏の国境付近に展開した楽華軍の今後の戦いに期待
- 洛亜完将軍と張宰相の論戦は緊張感がひしひしと伝わった
- 無血開城を実現させた羌瘣の戦局を見る目は健在
- 統治方法を巡った騰と剛京の主張も見どころ
- じーさんと信の会話から大将軍の威厳を感じた
- 法治国家の秦と、情によって量刑を変化させる韓との文化の違いは面白い
- 剛京の演出にはやられた
- 74巻の発売日と収録話数
- 発売日は2024年12月18日
- 表紙には昌平君、扉絵には信が描かれている
- 収録話は、第802話~第812話の全11話
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