今回は『天久鷹央の推理カルテ』9話のあらすじや感想、考察、見どころなどを解説していきます。
9話は8話から続く前後編の完結編です。
前半はこれまでの振り返りやあらすじ、9話の見どころなどをまとめていきます。後半は、視聴した感想や考察を書いていきます!
天久鷹央の推理カルテ9話のあらすじ・登場人物・見どころ
まずは前回の振り返りや9話の登場人物を整理した上で、あらすじと見どころをご紹介していきます。
- 前回の振り返り
- 9話の主な登場人物
- 9話のあらすじ
- 鷹央の成長が描かれる―天才医師の葛藤―
前回の振り返り
末期の白血病を患う健太は、病室で何度も天使の姿を見る。夜勤の看護師もまた、天使のような影を目撃しており、その証言は嘘には思えなかった。
健太の隣の病室には、彼より少し年上の3人の男の子が入院していた。彼らは原因不明の発作を発症し、一度は回復して退院目前まで至ったものの、再び症状が悪化することを繰り返してしまう。担当医の熊川は、頭を抱えていた。
さらに、3人はいたずら好きで、看護師だけでなく健太にも何かとちょっかいを出していた。そのうえ「天使騒ぎ」も重なり、小児病棟は慌ただしい雰囲気に包まれていた。
そんなある夜、冬本敦が心肺停止に陥る。
9話の主な登場人物
天医会総合病院
・天久鷹央(あめくたかお CV:佐倉綾音)
主人公。天医会総合病院の副院長であり、統括診断部の部長。好奇心旺盛で気になることは調べないと気が済まない。熊川に小児科で入院している子どもたちの診断を依頼されるも、健太が入院しており乗り気がしない。
・小鳥遊優(たかなしゆう CV:小野賢章)
統括診断部で鷹央の下で働く内科医。愛称は”ことり先生”。鷹央に振り回される形で、さまざまなことを手伝っている。いつもとは様子の違う鷹央に困惑する。
・鴻ノ池舞(こうのいけまい CV:石見舞菜香)
天医会総合病院に勤める1年目の研修医。社交的でコミュニケーション能力が高い。小児科で入院している子どもたちに手を焼いている。
・熊川大二郎
天医会総合病院に勤める小児科の医師。鷹央のことを信頼しており、鷹央からも腕を信じられている。小児科で起きている不可解な出来事を相談する。
小児科の入院患者
・三木健太(みきけんた)
702号の個室に入院している。8歳でありながら、末期の白血病患になる。鷹央の研修医時代に知り合い友達に。小児科で話題になっている天使を複数回見ている。
・せきはらかつじ
急性虫垂炎で入院している10歳の男の子。退院直前まで回復するも、原因不明の嘔吐に悩む。
・さくたゆういち
マイコプラズマ肺炎で入院している11歳の男の子。同じく退院直前まで回復するも、原因不明の喘息発作を起こす。
・冬本敦(ふゆもとあつし)
WPW症候群で入院している12歳の男の子。同じく退院直前まで回復するも、原因不明の不整脈に苦しむ。
9話のあらすじ
心肺停止に陥った冬本敦だったが、なんとか一命を取り留めた。
鷹央は今回の事件が自分のせいで起こったと、自責の念に駆られていた。意を決し、謎に包まれた病状の診断を始めることを決意する。
一方、その間にも健太の病状は悪化していく。向き合う覚悟を決められないまま、鷹央に残された時間は刻一刻と減っていった。
鷹央の成長が描かれる―天才医師の葛藤―
8話と9話で描かれた『天使の舞い降りる夜』は、これまでの推理カルテとは異なり、鷹央の成長に焦点が当てられています。健太と向き合う中で浮き彫りになる、鷹央の弱さと純粋さが見どころでしょう。
鷹央は、自分の頭脳を駆使すればすべての謎を解明し、命を救うことができるという強い自負を持っていました。
もちろん、年齢的に助けられないケースも見てきたはずです。しかし、健太のようにわずか8歳という幼さで、しかも自分よりはるかに年下の少年の死と向き合うのは初めてでした。
小鳥遊が言っていたように、医者にとって「無力感を知ること」も成長のための重要な経験のはずです。しかし、鷹央は「そんな成長なら必要ない」と言い続けたかったはずです。だからこそ、適切な診断を繰り返し、常に命を救おうとしてきました。
しかし今回は末期の白血病であり、相手は研修医時代に友達になれた健太君。どうにもならない現実が目の前にあります。その中で葛藤し、苦悩する鷹央の姿は、何とも言えない切なさを感じさせます。
天久鷹央の推理カルテ9話の感想と考察
それでは、9話の感想や考察をしていきます。謎部分は前回想像した通りだったため、感想が中心です!
- 簡単に謎について振り返り
- 贖罪は許されないが鷹央の気持ちは理解できる
- 安らかに逝くということについて
- 健太君は鷹央の中で糧になり続ける
- 時系列
簡単に謎について振り返り
天使の正体
原因不明の発作
主な謎はこの2つですが、前回予想した通り、冬本敦ら3人の自作自演という落ちでした。見どころでも記載しましたが、今回は謎解きがメインではないため、サラっと解決されたような印象でした。
贖罪(しょくざい)は許されないが鷹央の気持ちは理解できる
犯行動機は予想通りでした。無神経に健太を傷つけ、その愚かさに気づいたうえでの贖罪。しかし、10~12歳という年齢を考えると、個人的にはとても許せるものではありませんでした。
それでも、彼らを見過ごした鷹央の心境は理解できます。
理由はどうあれ、天使を信じる8歳の男の子に“本物の天使”を見せることで、死への恐怖を和らげる。これは簡単にできることではありません。実際、健太は心から天使を信じることができました。(周りを不安にさせないための演技の可能性も否定できませんが。。。)
末期の白血病の彼にできることは、緩和ケアしかありません。その状況で、天使を信じられることは、もしかすると最も幸せなケアだったのかもしれません。
自分には何もできないという無力感。そんな中で、彼らの行動を止めるべきなのか、それとも見過ごすべきなのか。鷹央が葛藤した気持ちは、痛いほどよく分かりました。
安らかに逝くということについて
鷹央が病室を訪れ、大好きな先生と何気ない会話を交わし、前と同じように絵本を読んでもらう中で、健太君は静かに天へ旅立ちました。
病室には両親の泣き声が小さく響いており、暗い空気が漂っていました。鷹央も涙をこらえながら、震える声で絵本を読み続け、健太にとって自分の最期を悟るには十分すぎる状況だったと思います。
それでも、彼は恐怖に震えることなく、ただただ幸せな時間を過ごし、そのまま穏やかに旅立っていきました。もしかすると、それはとても恵まれた最期だったのかもしれません。
そう考えると、最期を迎える患者にとって、「死期を悟らせないように、嫌な思いをさせないように気を遣うこと」よりも、「そばにいて、普段と変わらない時間を過ごすこと」のほうが、何よりの幸せなのかもしれない。という原作者・知念実希人先生が伝えたかったメッセージなのではないかと思わされました。
健太君は鷹央の中で糧になり続ける
健太君が亡くなってから2日後、鷹央はいつも通りの仕事に戻ります。悲しみが消えることはないですが、それでも前を向いて歩き出していました。
鷹央がプレゼントし、健太の母親から再び渡された帽子は、ずっと鷹央の部屋に飾られ続けるはずです。これはきっと、これから先、別の患者と向き合うときの支えになるはずですし、健太のことを忘れることは絶対にないでしょう。
今すぐは難しいかもしれませんが、いつかどこかの回で、この経験が生かされる場面が描かれたら嬉しいです!
時系列
今回は悲しい結末でした。
・天使の舞い降りる夜
日時 | 起こったこと |
2024年1月 | 三木健太君が再入院統 |
2024年12月上旬 | 健太君が天使を見る |
2024年12月中旬 | 退院直前の子どもが原因不明急変をおこす |
2024年12月下旬 | 冬本君がナースコールをする |
2024年12月下旬 | 鷹央が天使と原因不明の発作を診断する |
2024年12月24日(火)16時25分 | 健太君の容体が悪化する |
2024年12月24日(火)夜 | 健太君が他界する |
2024年12月25日(水)00時05分 | 鷹央が泣き崩れる |
2024年12月26日(木)朝 | 日常に戻る |
天久鷹央の推理カルテ8話のあらすじと感想・考察・見どころまとめ
- 前回の振り返り
- 末期の白血病を患う健太は、病室で何度も天使の姿を見ていた
- 健太の隣の病室には、原因不明の発作を繰り返す3人の男の子が入院していた
- 担当医の熊川は、彼らの症状に頭を抱えていた
- 3人の男の子はいたずら好きで、看護師や健太にちょっかいを出しており、「天使騒ぎ」と重なり小児病棟は慌ただしい雰囲気だった
- そんなある夜、冬本敦が心肺停止に陥った
- 9話のあらすじ
- 心肺停止に陥った冬本敦は、なんとか一命を取り留めた
- 鷹央は今回の事件が自分のせいだと自責の念に駆られていた
- 鷹央は、謎に包まれた病状の診断を始める決意をする
- その間にも、健太の病状は悪化していく
- 9話の見どころ
- 9話は8話から続く前後編の完結編
- 鷹央の成長が描かれており、天才医師である鷹央が葛藤する
- 健太と向き合う中で浮き彫りになる、鷹央の弱さと純粋さが見どころ
- 9話の感想と考察
- 天使の正体と原因不明の発作の謎は、前回予想通り、冬本敦ら3人の自作自演
- 犯行動機も予想通り、無神経に健太を傷つけたことへの贖罪であり、許すことはできない
- ただ、無力感の中で彼らの行動を止めるべきか見過ごすべきか葛藤した鷹央の気持ちは痛いほど理解できる
- 最期を迎える患者との向き合い方について、原作者のメッセージを感じた
- 健太君の帽子は鷹央の部屋に飾られ続け、今後の患者と向き合う上での支えになるだろう
- いつか、この経験が鷹央の仕事に生かされる場面が描かれることが期待される
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