ノヴァクに疑いをかけられたバデーニとオクジー。
どのような展開で異端であることがバレ、どう切り抜けていくのか、という久しぶりの絶体絶命感のある展開です。
いつものとおり、チ。の12話をネタバレ込みであらすじ・感想をまとめていきます。12話はバデーニとオクジーの会話が魅力的で、あらすじ部分がかなり長くなっています。
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チ。-地球の運動について-12話「俺は、地動説を信仰してる」のあらすじとネタバレ
「実は私 異端審問官やってまして」
ノヴァクの告白に冷静に対応しようとするバデーニと、青ざめてしまうオクジー。バデーニはオクジーの様子がおかしかった理由と状況を瞬時に理解し「それは娘さんには言いづらいですね」と自然に返します。
陽気に応えるノヴァクは、(娘に言えない)事情察してくれてありがとう、誇らしい仕事だが言いづらいと流すように話し本題に入ります。
それは手紙で匿名の通報があったというもので、街で拾った日記に暗号がびっしり書いてあり、気になって頻度分析を用いて解読してみると、ほとんどは高度な宇宙論についてだったが、後半数ページには異質な宇宙について書いてあった。というものでした。
匿名故、異端者を探すのが難しく、宇宙論を研究している人を地道に操作する必要があり、2人にも協力してもらえないか?と続けます。動揺するオクジーを横に、バデーニはもちろん構わないと言い、研究室に案内します。
研究内容を問うノヴァクにバデーニは、占星術を研究しており、地球と火星が正反対の位置にある”衝”の際に起こる災いについて調べていると応えます。
ノヴァクが部屋の中を調べま始めると、オクジーが不意打ちを試みますがバデーニに止められます。バデーニはこういう時のために、簡易的にではありますが文献を整理しており、軽い調査では占星術について調べていることしか分からないように細工していました。
ノヴァクの調査はバデーニの予想通りに進み、何事もなく終わるかに見えました。しかし、山積みの本の隙間から天体の形をペンダントが出てきました。一瞬戸惑いを見せるノヴァクでしたが、おどけながら調査をした非礼を詫び、そのまま研究室を後にします。
ノヴァクが去った後、膝から崩れ落ちるオクジーに対し、バデーニは予定を早め明日か明後日にはここを立つと言い、オクジーにもそうするように伝えます。最低限の準備をしていたとはいえ、バレずに済んだのは運が良かっただけだと語り冷静でした。
緊張から解放されたオクジーが天体のペンダントが見つかった時の焦りを口にすると、バデーニは何のことか分からず説明を求めます。そこでオクジーは居酒屋を出てから言うに言えなかったノヴァクとの関係や天体のペンダントを異端から引き継いだことを説明します。
思ったより簡単に帰ってくれたと考えていたバデーニは嫌な予感がし、安全を期して1時間以内に研究所を出ることを決め、荷物の整理をオクジーと進めます。バデーニが不要となった書物を燃やしていると、準備を終えたオクジーが研究所から出てきます。
事前に用意した地下通路から厩舎へ行き、馬を盗んで逃げるよう伝えた後「動く世界でまた会おう」と言います。オクジーが戸惑いながらバデーニはどうするのかと尋ねると、書物を燃やし、手紙を1通書いたらすぐに立ち去ると答えました。
するとオクジーは、これまでの記憶を辿るように、走馬灯のように、グラスとの別れやバデーニ・ヨレンタとの出会い、ピャスト伯の涙を思い出し、再度「全て燃やすのですか?」と聞き直します。
バデーニは「あぁ」と言いながら、必要な書類は持ち、手柄を誰かに譲る気もない、あくまで独占が大事だ、と淡々と語ります。オクジーが少し言葉に詰まると、「難だ?今さら文句があるのか?」と続けます。
オクジーは一瞬否定しますが、意を決したように「はい」と返し「あまり他人を排除しすぎると間違いに気づきにくくなるのでは?」と疑問を投げかけます。バデーニが無言で聞いていると、慌てて「素人のたわ言です。忘れてください」と釈明します。
バデーニが真剣な表情のまま「続けろ」と言うと、オクジーはピャスト伯を例に挙げながら話し始めます。既存の宇宙論に疑問を持ったピャスト伯は、天動説の範囲内ではあったが精度の高い説を作った。そんなピャスト伯と自分たちの違いはどこにあるのか?
自問するように問いかけるように続けて話します。
「確かな証拠がない以上 最後の最後 本当に地動説が真理だとは誰も断言できない」「だとしたらピャスト伯と俺たちに大した差はない」「彼は自ら自分が違っている可能性を信じそれを受け入れた」
バデーニが「地動説が間違いだとでも言いたいのか?」と返すと、オクジーは「自らが間違っている可能性を肯定する姿こそが 学術とか研究には大切なんじゃないかってことです」「第三者による反論が許されないならそれは信仰だ」と持論を展開します。
バデーニがそう思い至った理由を尋ねると、「昔それが希望だと教わったからです」「自分以外に託すって姿勢に希望を見いだしていた」「その姿勢を天国へ行くことよりも重視した」とオクジーが全く理解できなかった価値観について語ります。
しかし今は違うと続け「反論や訂正をされることが託すことの本質」「他者が引き起こすねじれが現状を前に向かわせる希望なのかもしれない」とこれまでの経験や出会いから、グラスの話していた内容や想いを、自分なりに受け入れた結果をバデーニにぶつけます。
大まかに理解したと話すバデーニですが、大変危険な考えであり同意はできないと伝えます。オクジーは戸惑いながらも、信仰ではなく研究姿勢の話で危険はないと言おうとしますが、バデーニが被せるように続けます。
「研究姿勢だからだ」「その姿勢を研究に採用してしまうと我々は目指すべき絶対真理を放棄することになる」「その悲劇を我々に受け入れろと?」これを受けオクジーは、「それでも間違いを永遠の正解だと信じ込むよりマシでは?」と返します。
バデーニが後ろを振り返り「その件については後日また考えよう」と告げ、この話は終わりになります。今度こそ逃げようとするオクジーが森の方に目を向けると、異端審問官を乗せた馬車が向かってきており、あと4~5分で到着する距離にいることがわかります。
慌てたバデーニはすぐに逃げることを決め、手紙を書くことも諦め、荷物をまとめ始めます。オクジーに最後の本を渡し火に入れ、先に逃げるよう伝えます。
ノヴァクは連れてきた4人の審問官に対し、今回の異端が娘に近づいたことを話し、私情を挟むのはよくないが今回の任務が特別であると伝えます。そして、シンプルに気持ちを表現すると「ブチ切れてる」と話し、新人の審問官は少しおびえます。
手紙を書くことを諦めると聞いたオクジーは、どのみち5分もないため逃げ切れない、何分あれば安心して逃げられるか?と確認します。苛立ちを覚えていたバデーニですが、質問の意味を理解したバデーニは「10分程度」と答えます。
意を決してオクジーは決闘代行の時に使っていた剣を手に取り、ノヴァクの元へ向かおうとします。バデーニはオクジーの行動が愚かであり、地獄へ行くことにもつながるため、辞めるよう止めますが、オクジーは聞く耳を持ちません。
その理由を聞くバデーニにオクジーは答えます。「俺が地動説の意味を知った時 たぶん感動したからです」「今はこの感動を守るために地獄へ行ける」それを必死に否定し、地動説という学術へのかかわり方としても間違えていると、何とか止めようとします。
しかし「俺は地動説を信仰している」と言い残し、ノヴァクの元へ向かいます。
見送るしかできないと悟ったバデーニはオクジーを呼び止め、修道士としてオクジーが天国へ行けるよう、祈りの言葉に想いを込め、「アーメン」と言いながらオクジーの額に水をつけます。
馬車の前に立ちふさがったオクジーは、ノヴァクを含め5人の異端審問官の前に立ちはだかります。ノヴァクは勧告したあと、4人の審問官にいつでも攻撃してよいと許可を出します。
4人は手にしたボーガンでオクジーを狙いますが当たらず、いとも簡単に3人は殺されてしまいます。最後の一人は、ノヴァクと馬車の中でした死ぬ覚悟の話を思い出しますが、泣き喚きながら逃げ出してしまいます。しかも、躓き剣が刺さり死んでしまいます。
最後の1人になったノヴァクはだるそうにしながらオクジーと対峙し、「君 死ぬ覚悟ないでしょ」と言います。
チ。-地球の運動について-12話「俺は、地動説を信仰してる」の感想とネタバレ
12話はヤバかったです。
オクジーの成長と覚悟が鳥肌もので、これまでの出会いが全て無駄ではなく、つながりがあることに感動しました。
バデーニと2度に渡り論戦を繰り広げ、ただの感情論ではなく経験からくる主張で、1回目についてはオクジーの方が勝っていたのではないかと思わせるほどでした。
しかも、そのままノヴァクたちの前に立ちはだかり、戦闘経験のない4人はあっさり倒してしまう強さも見せつけ、いよいよノヴァクとの勝負が始まります。
12話はオクジーの魅力が、ただただ詰まった話になっていたため、何とか死なずに堪えてほしいと思います。
少しだけ触れておくと、正直ノヴァクたちが戻ってくるのが早すぎました。あのリアクションだと30分もかからず戻ってきたと思うのですが、馬を使ったような描写もなく無理があったと思います。ノヴァクの優秀さやヨレンタへの愛情が可能にさせたと納得しています。
それでは、12話で気になったことを深掘りながら感想を書いていきます。
- 密告者はクラボフスキでほぼ決まり
- 天体のペンダントはやはり物語の鍵
- オクジーの成長と覚悟には感動
- バデーニが研究者として否定する理由
- バデーニの祈りはかっこ良く信仰は意外
- ノヴァクとヨレンタの今後
- 死ぬなオクジー
密告者はクラボフスキでほぼ決まり
ノヴァクの口から、
暗号を解いて密告があったこと
差出人が書かれていないこと
が語られました。
これはそれなりの知識と学力を有した、身近な人物が密告したことを示しており、クラボフスキでキマリと言えるでしょう。
加えて視聴者視点だと、彼が道に落ちている本を見つけたシーンも見ているので、より確信を持てます。また、この部分の深掘りやミスリードは物語全体に与える影響も小さい気がするので、そうした点でも間違いないと思います。
天体のペンダントはやはり物語の鍵
ある程度疑ってかかっていたと思いますが、天体のペンダントが異端者の決め手となりました。
ラファウが地動説を信じた証となり、地動説の書物の在り方を示し、地動説証明の鍵となる楕円を考えるきっかけになり、今度は異端者だと確信する証拠にもなっています。
今後の展開でも鍵になり続ける存在であり、地動説を信じる人々の意志を形にしたものだと思うので、最後はどのように扱われるのか楽しみです。
オクジーの成長と覚悟には感動
バデーニに想いを伝えようとするオクジーのセリフは、どれも非常に考えさせられるものがありました。これまでのオクジーの経験から来ているセリフなだけに、僕らも視聴者として同じ経験をしており、そのどれもが確からしく聞こえます。
これをバデーニに対して一歩も引かずに語ってる姿は、初登場時からは全く想像もできません(当時は自分のことすら決めれない人でした)。
「確かな証拠がない以上 最後の最後 本当に地動説が真理だとは誰も断言できない」
「彼は自ら自分が違っている可能性を信じそれを受け入れた」
「自らが間違っている可能性を肯定する姿こそが 学術とか研究には大切なんじゃないかってことです」
「第三者による反論が許されないならそれは信仰だ」
「反論や訂正をされることが託すことの本質」
「他者が引き起こすねじれが現状を前に向かわせる希望なのかもしれない」
「それでも間違いを永遠の正解だと信じ込むよりマシでは?」
しかも、あれほどこだわっていた天国への道を諦め、地動説のために地獄へ行けるという覚悟は、地動説に携わる人間として、ラファウやフベルトたちと同じもののように感じました。
ノヴァクの元に向かうときのセリフである「俺は地動説を信仰している」は、その前の会話の信仰は理屈を超えるという伏線もあり、ただただかっこよかったです。
バデーニが研究者として否定する理由
時間がなくなり、バデーニの反論を聞くことはできませんでしたが、オクジーの考えをどのように否定するのか、非常に興味があります。
研究者として、何かを研究し真理を見つけ出すには、自分の説を100%信じ込めなければ難しいという主張に思えましたが、それだけだとオクジーの発言の方が正しいように感じてしまいます。
さまざまな反論を考慮して研究を進めた上で、自身と同じかそれ以上の知見を持つ他者からの指摘や疑問に答えられなければ、研究としては成り立たず、そのやりとりには証明した過程の資料は欠かせないはずです。
バデーニの想いや考えを聞けるシーンがあることを願っています。
バデーニの祈りはかっこ良く信仰は意外
バデーニがオクジーの元に歩きながら、祈りの言葉をささげるシーンは物凄く良かったですね。中村悠一さんの声がマッチしていて、普段のバデーニからは想像できないくらい、修道士らしい一面だったと思います。
暗い研究所から屋外に出て、満点の星空の下でアーメンという力強く言葉を発するバデーニにはこちらも胸が熱くなりました。
1つ意外だったことは、信仰心が強い一面を持っていたことです。
神という存在は信じていても、天国や地獄などは存在しないという考えの持ち主だと思っていましたが、オクジーを止める際の言葉は、それらを否定するものでした。
あの聡明なバデーニであっても、神学をかなり信じていることを考えると、当時の時代背景やオクジーの決意がより壮大なものだと分かる気がします。
ノヴァクとヨレンタの今後
バデーニとオクジーがヨレンタに近づいたことに「ブチ切れてる」と明確に表現したノヴァクですが、今後のヨレンタとの向き合い方が気になってしまいます。
ヨレンタには異端疑惑がかかるため、これまでのノヴァクであれば確実にヨレンタを取り調べますし、他の異端審問官からはそういった声が出るはずです。
それに対してノヴァクがどのような動き方をするのでしょうか?
これまでの発言を考えると、おそらくヨレンタを逃がすように立ち回り、最悪自分の命を懸けるのではないかと思っています。
死ぬなオクジー
なんといっても、ここまで死亡フラグが立ってしまったオクジーが、生き残れるかどうかが一番気になるところです。
おそらく登場して9話くらい物語が進んでいるため、ここでオクジーが退場してしまうのはラファウの時とは比べ物にならない喪失感を味わうことになる気がします。
ただでさえ強いノヴァクが切れていることを考えると望みは薄そうですが、致命傷を避け何とか生きていた、普通に捕まり拷問にかけられてしまう、のどちらかが王道展開だと思うので、なんとか裏切ってほしいです。
チ。-地球の運動について-アニメ12話のネタバレと総括
クラボフスキは密告し、オクジーはノヴァクと対峙することになり、とあまり望んでいない展開に進んでいる12話。
ただ、これがチ。らしさであり、とんとん拍子で進まない、すぐに迫害されそうになる、この社会のリアルを見ているような気持になります。
今日から公開されている13話ですが、今日中に落ち着いてみたいと思っています。
チ。12話のあらすじ
- ノヴァクが異端審問官であることを明かし、バデーニとオクジーに匿名の密告があったことを告げる
- 街で拾われた日記に書かれた暗号を解読したところ、異質な宇宙論が書かれていたことが判明
- ノヴァクはバデーニの研究室を調査し、天体の形をしたペンダントを発見
- オクジーからノヴァクとの関係や天体のペンダントについて語る
- オクジーがバデーニに対し、自らが間違っている可能性を肯定することの重要性を主張
- オクジーは地動説を信仰し、地獄へ行くことも覚悟
- バデーニは、オクジーが天国へ行けるように祈りを捧げる
- 異端審問官たちを倒し、ノヴァクと対峙するオクジー
チ。12話の感想
- オクジーとバデーニの間で繰り広げられた論戦は、オクジーの成長を強く印象付けた
- オクジーが地動説を信仰するようになった理由と、そのために命を懸ける覚悟に心を打たれた
- 天体のペンダントは、地動説を信じる人々の意志を形にしたものであると再認識
- バデーニが修道士としての一面を見せ、オクジーのために祈る姿は意外であり感動的だった
- ヨレンタの異端疑惑にノヴァクがどう立ち向かうか気になる
- オクジーには何とか生きてほしい
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