今回は『チ』17話のあらすじや感想、考察、見どころなどを解説していきます。
バデーニやオクジーの死から25年後。前回は異端解放戦線のシュミットたちの物語でしたが、今回は前回のラストとつながる移動民族の物語です。
今回からはオープニングのメインを務めているドゥラカが登場し、ついに第三章が幕を開けます。
それでは、チ。17話を感想・考察をまとめていきます。
チ17話のあらすじ・登場人物・見どころ
前回までの流れや17話のあらすじを整理した上で、見どころをご紹介していきます。
- これまでの振り返り
- 17話の主な登場人物
- 17話のあらすじ
- 16話とのつながりに注目
これまでの振り返り
バデーニとオクジーが処刑されてから25年。異端審問官から逃げたヨレンタ、ヨレンタが処刑されたという嘘で生きがいを失ったノヴァク、バデーニからバトンを繋がれたクラボフスキ、彼らの行方は分からぬまま、新たな物語が始まる。
かつての権威を失いつつある教会正統派には、厳しい情勢が続いている。正統派に不信感を募らせる市民の数が爆発的に増える中、異端解放戦線という武装した集団まで誕生することに。
異端解放戦線の中でもひときわ尖った思想を持つシュミットは、入隊条件として聖書を手に持ち「信じない」と声に出すことを求めている。これは、生き方を聖書に依存する人々にとって、神の否定に収まらない厳しいものであった。
ある日シュミットは、いつものように異端審問所から異端者を解放し、1つの書物を手に入れる。異端解放戦線の組織長いわく極めて重要な書類である。物資の補給のため廃村に立ち寄ると、運悪くアントニの私兵部隊と遭遇し、書物を民家に隠すことに。
シュミットたちを取り逃がしたと私兵が報告すると、アントニは面白い話がまとまったから気にするなと老人に目配せする。
17話の主な登場人物
地動説派
登場せず。異端者は登場するが、詳細は不明
移動民族
・ドゥラカ
移動民族の一人。聡明な彼女は村人の生活を良くするため、働き方や稼ぎ方の改革をしてきた。幼き頃、生きるために窃盗を繰り返していた父を殺され、叔父が親代わりとなっている。
・ドゥルーヴ
ドゥラカの叔父。幼きドゥラカに魔法の言葉を伝え、生き方・考え方のベースを作った。
司教側
・アントニ
司教の息子であり、25年後もそれなりの地位についていることがわかる。
17話のあらすじ
移動民族の一員として暮らすドゥラカは、生きるため、安心して暮らすため、お金を稼ぐこと、豊かになることに固執していた。

しかし、富を独占するわけではなく、自ら考えた方法で村全体を豊かにしており、村長からの信頼も厚かった。それでもお金が足りないと感じる彼女は、いいアイデアを思いつくたび村長に提案していた。

その背景には、ドゥラカが幼きことに経験した、父の死と叔父(ドゥルーヴ)の魔法の言葉があった。


ある日、ドゥルーヴから人生を変えるものを託すと話がある。
16話とのつながりに注目
17話最大の見どころは、16話の最後と17話がどのように結びつくのか?という点にあります!
振り返りにも記載しましたが、アントニが目配せした老人こそドゥルーヴであり、17話の中盤、16話とリンクする瞬間がやってきます。これは、ドゥラカとドゥルーヴにとって人生を変える瞬間であり、それぞれの想いが交錯していきます。
ドゥラカの生い立ちや、ドゥルーヴの存在の大きさは、のちのち生きてくる設定かと思いきや、さっそく17話で伏線回収されるため、しっかり追いかけることをおすすめします!
チ17話の感想と考察
ここからは、17話を見た感想や考察をまとめていきます。一部ネタバレが含まれるのでご注意ください。
- 3つの魔法は危険
- 3つの魔法はドゥルーヴのものなのか
- 嫌な予感が的中する
- 本の正体はオクジーが残したもの!?
- ドゥラカはシュミットに助けられる
- ドゥラカはラファウやバデーニ並みの才能の持ち主
3つの魔法は危険
- 神は存在しない
- 考えろ
- 信念(を持て)
幼き頃、朝になると父が亡くなったことを思い出していたドゥラカに対し、ドゥルーヴが授ける3つの魔法ですが、この時代にしてはかなり危険なものだと思いました。
神こそ絶対であり、聖書のみが生きる道を示してくれる存在であった時代です。教会正統派と異端との間にいざこざは起こり始めていましたが、どちらも神や聖書には従順であり、疑うことすら知らない人がほとんどです。
そんな中、物事の良し悪しや人を疑うことを知らない子どもに対し、神の存在を否定する教えを授けることは、村八分や処刑されるリスクを高めるだけです。
信念を捨ててでも生き残る
というドゥルーヴ自身の信念を聞いた時、都合の良いコマとして扱わないか不安になりましたが、予想が的中してしまいました。。。視聴している時は、異端解放戦線の一員かもしれないという淡い期待もありましたが残念です。。。
3つの魔法はドゥルーヴのものなのか
3つの魔法について話しをしている時中は、異端解放戦線の一員やフベルトのような存在の可能性も十分にあったため、危ういなと思いつつこの疑問は湧きませんでしたが、裏切りが判明した今、改めてドゥルーヴの言葉や考えなのかが疑問になりました。
結果的に使い捨てることを視野に入れていたのであれば(何もなければそのまま寿命を迎えたと思います)、ただ知識を与えるだけでなく、自身に対する尊敬や依存を作り出す必要があります。
実際、村長に否定された案をドゥルーヴに話し、ドゥルーヴに否定されて諦める様子が描かれており、ドゥラカにとっては叔父さん以上の存在であったことは間違いありません。
そう考えると、誰かの受け売りや本や読んだ情報をかいつまみ、自分に都合の良い範囲でドゥラカに共有していたのではないかと思えてきます。魔法を伝えるドゥルーヴを見て、賢いだけでなく自己開示が上手いと感じた方もいるのではないでしょうか?
嫌な予感が的中する
ドゥルーヴがアントニに交渉を持ち掛けた後、ドゥラカに将来を変える話を持ち掛けた時は本当にざわざわしました。信念を聞いた時に感じた違和感が確信に変わりそうな気持ちと、もしかすると地動説にまつわる何かを託すかもしれないという希望で胸がいっぱいでした。
廃村に向かっていることが分かった時、悪い予感が的中したことを悟り悲しい気持ちになったのと同時に、チはこういった嫌な予感や伏線をことごとく回収するなぁと感心もしました。

本の正体はオクジーが残したもの!?
シュミットたちが奪ってきた本の中身についても、その一部が明かされました。
- 天と地の回想は存在しない
- 人々は底辺に張り付けられていない
- 人の名前が出てこない
- 地動説について学術的なものが書かれていない
- 宗教や学問に書かれた本とは異なる
- 文化的な話に終始している
- 個人の感想のようで神への崇拝もある
ドゥラカが読んだ感想を整理するとこんな感じになりますが、これはほぼほぼオクジーが書いた本だとみて間違いないのではないでしょうか?
厳密にいうと、バデーニが暗号として残し、それをクラボフスキが清書ものだと思いますが、本に書かれている主張やオクジーそのものに感じます。だとすると、バデーニが語っていたように、感動は伝わっており、地動説にかけた人々の想いが受け継がれた瞬間ともいえる場面です!

ドゥラカがお金を稼ぐイメージを膨らませていましたが、異端解放戦線の目的も、この本を人々に届けることなのかもしれません。そして外堀を埋めてから、地動説の発表をしていくのではないでしょうか?
ドゥラカはシュミットに助けられる
絶体絶命の状況で終わった17話ですが、おそらくドゥラカはシュミットたちに助けられると思います。
ドゥラカが連れていかれるシーンを見ていたシュミットたちは、本まで持っていかれたことに気づき、本を奪還するついでにドゥラカを助けると予想します。
そして、帰る場所を無くしてシュミットは神や聖書を信じていないため、シュミットの部隊に難なく加入することができ、本を使って商売する機会をうかがうのだと思います。
ドゥラカはラファウやバデーニ並みの才能の持ち主
冷静に考えて、あの教育環境で育ったにも関わらず、今の時代も行われている分業制による効率化・専門化を考えだし、自由競争による富の拡大を考え出せるのは、天才としか言いようがありません。
見た目や言動から、おそらく10代と思われるので、その年齢で村人に新しい生き方を提案し、定着させる手腕は、頭が良いだけでなく、人格者であり、リーダーに向いているのだと思います。
ここからの成長やドゥラカが達成することを楽しみに待ちたいと思います。
チ17話のあらすじと感想・考察・見どころまとめ
- これまでの振り返り
- バデーニとオクジーが処刑されて25年。ヨレンタ/ノヴァク/クラボフスキの現在は不明
- 世間では教会正統派が権威を失いつつあり、不信感を抱く市民が増加
- 異端解放戦線という武装集団が登場し、中でもシュミットは過激な思想を持っている
- 異端審問所から書物を奪い、物資補給のため廃村を目指す
- アントニの私兵部隊と出くわし、書物を民家に隠し逃走
- 17話のあらすじ:
- 聡明なドゥラカは、村に新しい稼ぎ方を根付かせていた
- 彼女は幼い頃に父を亡くし、叔父のドゥルーヴから「3つの魔法」を授けられた
- この魔法が彼女の価値観や生き方を決めることに
- ある日、ドゥルーヴから人生を変えるものを託すと話がある
- 16話のラストと17話が繋がり、ドゥルーヴがアントニ側の人間であることが明らかになります。
- 17話の見どころ
- 16話のラストと17話の繋がりが重要なポイント
- ドゥラカの生い立ちとドゥルーヴとの関係とは
- ドゥラカの運命を変えるものとは
- 感想と考察
- ドゥルーヴが教えた「神は存在しない」「考えろ」「信念を持て」という思想は非常に危険
- この「3つの魔法」は、ドゥルーヴ自身の思想なのか、誰かの受け売りなのか疑問
- 本の正体は、学術的なものではなく文化的な話や個人の感想に近い内容だった
- この本はオクジーが書いたものではないか
- ドゥラカはシュミットたちに助けられ、異端解放戦線に加わると予想
- 異端解放戦線の目的は、本を人々に届けることではないか
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